Fedora 12では、仮想化ソフトウェアXenの
Dom0カーネルがサポートされていません。

ですが、最近になってDom0カーネルの実装がFedora 12でも
使用できるようになりました。
そこで、XenのインストールDom0カーネルのインストール方法を紹介します。

CPUの確認


まずは、CPUの確認をします。
Xenの準仮想化に対応しているかどうかは

$ grep pae /proc/cpuinfo

でpaeを含んだ行が含まれている行が
表示されれば、Xenの準仮想化に対応しています。

また、Intel製CPUの場合、

$ grep vmx /proc/cpuinfo

の実行結果が
AMD製CPUの場合、

$ grep svm /proc/cpuinfo

の実行結果が表示されればXenの完全仮想化に対応している
CPUかどうかが分かります。

Xen、グループ仮想化のインストール


Xenとyumでのgroupinstallで仮想化環境をインストールします。

$ su
# yum groupinstall Virtualization
# yum install xen


Dom0カーネル


Dom0カーネルのインストール


Dom0カーネルのインストールをします。
まず、mkinitrdをインストールします。

# yum install mkinitrd

次にDom0カーネルをインストールします。
32bit用と64bit用ではインストールするkernelが
異なるので注意しましょう。

32bitのCPUの場合



$ uname -m
i686

と返ってくる場合は、
32bit用Linuxを使用しています。

# yum install --enablerepo=dom0-kernel \\
--disablerepo=updates,fedora kernel-PAE

として、Dom0カーネルをインストールします。
インストールするkernelはkernel-PAEであることに注意して下さい。

64bitのCPUの場合



$ uname -m
x86_64

と返ってくる場合は、
64bit用のLinuxを使用しています。

64bitのCPUの場合、

# yum install --enablerepo=dom0-kernel --disablerepo=updates,fedora kernel

とします。

grub.confの設定


次に、grub.confを設定します。
kernelにXenハイパーバイザ、
moduleにDom0カーネルのkernelとinitrdを指定します。

kernelとかかれていた箇所をmoduleとし、
initrdと書かれていた箇所もmoduleとして、
さらに、kernel=/xen.gztitle行の下に書き加えて下さい。


title Fedora (2.6.31.9-1.2.82.xendom0.fc12.i686.PAE)
root (hd0,0)
kernel /vmlinuz-2.6.31.9-1.2.82.xendom0.fc12.i686.PAE ro \
root=/dev/mapper/vg_dell-LogVol00 LANG=ja_JP.UTF-8 \
KEYBOARDTYPE=pc KEYTABLE=jp106 rhgb
initrd /initrd-2.6.31.9-1.2.82.xendom0.fc12.i686.PAE.img



title Fedora Xen (2.6.31.9-1.2.82.xendom0.fc12.i686.PAE)
root (hd0,0)
kernel /xen.gz
module /vmlinuz-2.6.31.9-1.2.82.xendom0.fc12.i686.PAE ro \
root=/dev/mapper/vg_dell-LogVol00 LANG=ja_JP.UTF-8 \
KEYBOARDTYPE=pc KEYTABLE=jp106 rhgb
module /initrd-2.6.31.9-1.2.82.xendom0.fc12.i686.PAE.img

とします。

titleをFedoraからFedora Xenに変更しています。

vmlinuz-やinitrd-の後ろのバージョン名は
カーネルのバージョンによって異なるので注意して下さい。
また、カーネルオプションもお使いの環境によって異なるので、
便宜書き換えて下さい。

Dom0カーネルのインストール時に自動で生成される
/etc/grub.confをtitleからinitrdまでコピーし、
上で説明したように、
titleのFedoraFedora Xenに、
kernelとかかれていた箇所をmoduleとし、
initrdと書かれていた箇所もmoduleとして、
さらに、kernel=/xen.gztitle行の下に書き加えるだけで
良いでしょう。

Dom0カーネルの起動


Linux(ここではFedora)を再起動します。
起動時のgrubでのカーネルの選択時に、
Fedora Xen (2.6.31.9-1.2.82.xendom0.fc12.i686.PAE)
を選択して起動します。

無事に起動し、ログインしたら、
GNOMEデスクトップの上のメニューの
[アプリケーション]→[システムツール]→[仮想マシンマネージャー]
として、virt-managerを起動します。

以下の図のようにDomain-0カーネルが表示されれば、成功です。
Screenshot-Xen-Domain-0